歯医者にかからずに歯を守る方法!歯を守るための3つの条件

食事の回数を少なくし甘い物を極力少なくする

食事の回数が多いほど、砂糖の摂取量が多いほど虫歯や歯周病にかかりやすくなります。口の中の細菌は、砂糖が大好物で砂糖を食べて急速に繁殖します。朝、昼、晩の3回の食事(主食・主菜・副菜)はしっかり食べて、間食は出来る限り摂らないようにしましょう。特に、砂糖入りの飴(のど飴)、チョコレート、砂糖入りのコーヒーや紅茶、炭酸飲料、ジュース、クッキー類、スナック菓子などを、一日に何度も口にするようなら非常に危険です。習慣的になっていたら止めるようにしてください。砂糖以外にも代用糖がありますが「砂糖ではないから」といって安心しないでください。甘い物を食べる習慣を止めることが重要なのです。

「甘い物好きだけど。。。間食はよくするけど。。。食べたらすぐ磨きますから」と言う人がいますが、そのような人の口の中は悪化している場合がほとんどです。食べることは口の中を酸性にします。食べていない間に唾液により口の中が中和され、酸により傷んだ歯の表面に再石灰化が起こり元の状態に戻ります。間食が多い方は、口の中が中和される前に食べてしまうため、口の中は酸性の状態が続いてしまいます。歯ブラシを食後毎回完璧にすることは困難なため、結果的に虫歯や歯周病が悪化してしまいます。

また、砂糖の取りすぎは、口の中だけでなく体の健康にも害を及ぼします。砂糖の過剰摂取は、血管を傷つけ、免疫力低下を招きます。最新(2014.3.5)の世界保健機構(WHO)の報告によれば、体の健康のためには、成人における1日の糖分摂取量を砂糖に置き換えると25グラム以下(ティースプーン6杯分)に抑えることが推奨されています。つまり、体とお口の健康のためには、お菓子、ジュース以外にも食事のいろいろなものに糖分が潜んでいますので注意が必要になります。詳しいことは、当院の歯科医師・歯科衛生士にお尋ねください。

歯ブラシを丁寧に行う

ブラッシングの目的は、歯から細菌を取り除くことと歯ぐきをマッサージして血行を良くし、抵抗力のある丈夫な歯ぐきを作ることです。そうすることによって、虫歯や歯周病にかからなくなり、一生自分の歯で食べることが出来るのです。現代の食事は柔らかくしたものが多く歯に付きやすくなっています。さらに、リンゴを丸かじりしたり、生野菜をバリバリ食べたりすることが少なくなり、歯ぐきに食べ物の刺激が伝わりにくくなっています。そのため、現代人は歯ブラシを使用して歯に付着したバイ菌(歯垢・プラーク)、食べかすを落とし、歯ぐきをマッサージすることで血行を良くし抵抗力のある歯ぐきにすることが必要なのです。

しかし、朝昼晩と食後3回時間をじっくりかけて磨くことは困難な方も多いと思います。朝と夜の2回で構いませんが少なくとも、1日1回(出来れば寝る前)は充分時間をかけて(10分以上)磨きましょう。歯磨きのやり方は、正しくやらないと全く効果がないばかりではなく、場合によっては害になることもあります。充分時間をかけて磨いているのに大切な場所が磨けていない方が多いのも事実です。歯ブラシの持ち方、歯ブラシの動かし方、歯ブラシを押しつける強さ、どこを磨くのが効果的かなどを歯科医師、歯科衛生士が指導します。1日も早くマスターしましょう。

上手く出来るようにならないと口の中を清潔に保てずにいつまで経っても良い状態になりません。そのため、治療が進められず治療期間が長引くだけでなく良い結果も得られません。この機会に真剣に取り組んでみては如何でしょうか。最近は電動、音波、超音波歯ブラシを使っている方が多くなりましたが、細かいところまでうまくバイ菌を落とせている方は少ないようです。電動歯ブラシ等も上手く使えれば効果的ですがその使い方が大切なのです。まずは普通の歯ブラシでどこをどのように磨くかを理解していないと電動歯ブラシは使いこなせません。テレビのコマーシャルのように楽で簡単というわけにはいかないのです。現在お使いの電動歯ブラシ等を使いこなしたい方は、歯科医師、歯科衛生士にご相談ください。また、最近の研究では、食後すぐにブラッシングすると酸性にさらされた歯が摩耗しやすくなるため、食後に唾液で口の中が中性になる30分以上たってから行うことを推奨する意見も出てきています。

歯に加わる力を少なくする

歯に加わる力と言っても自然な生理的な力と歯をダメにする力があります。歯が接触するのは、昼間は主に唾液を飲み込む時と食事の時です。何もしていない時や話している時は歯が接触していないことが正常です。ただし、昼間でも無意識のうちに食いしばったり、音はしませんが歯をこすり合わせたりしている人がいます。さらに、習慣的に何か(爪、ペン、唇など)を咬む癖がある人もいます。普段から歯を合わせている方は異常と思ってください。寝ているときに歯ぎしりや食いしばりが強い人は要注意で、歯がこすれて徐々に減ってしまったり、歯がグラグラになって手遅れになり抜けてしまったりすることもあります。歯ぎしりといっても音がしないで(音がするのは3割程度)強く食いしばっている方もいますので、自分は歯ぎしりをしないと思いこんでいる方も安心は出来ません。歯ぎしりや食いしばりが強い方は朝起きたとき、顎の筋肉が疲労して凝っていることがあります。そして、顎の関節に異常感や痛みを伴う方(顎関節症)が多いのも事実です。さらに、昼間、起きているときも無意識に食いしばってしまう癖を持っている人も多いようです。正常な場合、歯と歯が接触するのは食事や唾液を飲み込む時で1日にかみ合わせる時間はたったの約15分間と言われています。それ以外の時で無意識に食いしばっている時間が長いほど歯の寿命は短くなります。歯をダメにする力は、無意識に咬んでいるときの力(何かを咬む癖も含めて)でその強さはガムを強く噛んだときの力の数倍から十数倍に達し、ひどい場合は寝ている間に60キロ~100キロの力がかかる人もいるようです。そんな破壊的な力により歯がすり減る、虫歯でないのにしみる、痛む、歯の神経が死んでしまったり、グラグラしてきたり、歯全体が浮いたような感じがする、最悪の場合は歯にヒビが入り真っ二つに割れて抜歯に至ることもあります。では、自分はどうなのかを調べるには「食事以外は絶対に歯と歯を合わせない」ことを絶えず意識してみてください。そうすると、咬み癖がある方は咬んだ瞬間に気が付くことがあります。ストレスが多い方ほど無意識に食いしばっていることが多いものです。「食事以外は絶対に咬まない」を意識することで歯の寿命は確実に延びるのです。

寝ているときの歯ぎしり対策には2つあります。1つは、透明のプラスチックで出来たマウスピースを歯にはめて寝ることです。そうすることで、どのぐらいの強さの歯ぎしりをしているかを診断でき、歯をすり減らすことを防止できます。もう1つは、自己暗示療法を使って歯ぎしりの強さを弱くすることです。一方、起きているときの食いしばり癖の対策には、行動療法(貼り紙法)を使って、無意識の行動を気付かせることで少なくしていきます。

以上述べてきたように起きているときと寝ているときの無意識に食いしばっている力を如何に排除していくかが歯を守るために非常に大切なのです。そして、最後に咬み癖と食べる力にも注意しましょう。これは、例えば「右の奥歯ばかり使って食べてしまう」方はその歯を酷使して寿命を短くしてしまいます。身体のどの部分もそうですが一部分を使いすぎるとトラブルが起きるのは当然です。つまり、一カ所ばかり使わないで歯全体を使って食べるようにしましょう。そのためには、どこでも食べられるようにしっかり治療しておくことが歯全体を守るために重要なことなのです。詳しいことは、当院の歯科医師にお尋ねください。